山形市宮町にある船山呉服店は、創業122年の歴史ある呉服店です。地元の中学校の制服を取り扱うなど、地域に親しまれ続けてきました。そんな船山呉服店では、昨年から新たな取り組みにチャレンジしています。
呉服店の駐車場に・・・・・・キッチンカー!?
次から次へと人が集まって来る船山呉服店。そこには、来る方全員に笑顔で挨拶する船山朋子さんの姿がありました。
なぜ呉服店の駐車場にキッチンカーが出店しているのか、どんな場所なのか、どんな想いがあるのか、船山朋子さんへインタビューしました!
山形市出身。東京の大学へ進学後、そのまま服飾関係の仕事に就くが、実家の船山呉服店の今後を考えて30歳でUターン。東京で学んだ広い世界と服飾業界で積んだキャリアを活かして、船山呉服店を盛り上げ中。
『平日CaféあんどFoods FROM 船山呉服店』ってどんなところ?
船山呉服店では、2025年11月から「平日CaféあんどFoods FROM船山呉服店」を新たに始めました。呉服店の駐車場にキッチンカーの出店スペースを確保し、屋内ではクッキーなどの菓子を販売できるようにしました。キッチンカーで購入したものは、持ち帰る人もいれば、敷地内に設置されているテーブルで食事したり、船山さんとおしゃべりしながら食べる人もいたり、さまざまです。キッチンカーの出店はSNSやホームページの申込フォームから応募することができ、多種多様なキッチンカーが出店しています。インタビュー時には、まつキッチンが出店していました。
Q. 『平日CaféあんどFoods FROM船山呉服店』を作ろうと思ったきっかけは何ですか?
呉服店では、お子さんからお年寄りまで日常使いのものを取り扱っているのですが、必要なものを購入するという目的だけでは、楽しみを見出しにくいなあと考えていて、必要なものを購入するためだけに来るのではなく、当店でのお買い物でワクワクしてくれたらいいなと思っていました。そんな時にコロナ禍となり、人との関わりが少なくなりましたよね。それまでは、買い物ついでにお茶を飲んで行かれる方などもいましたが、おしゃべりの場がなくなってしまったと感じたんです。子育て中だったので、先輩ママにちょっとした相談も気軽にできない不便を感じて、きっと同じように感じている人がいるのではと考えました。そのちょっとした不便を解消できる場所になればいいなと思ったのが始めるきっかけの1つです。
Q.どうしてキッチンカーを呼ぼうと思ったのですか?
東京で働いている時に勤務先の近くにキッチンカーがくることが楽しみだったんです。ビルの中でランチの行列に並ぶのではなく、キッチンカーで購入したものを好きな公園で食べるというのも、ちょっとした贅沢に感じました。山形でもお祭りやイベントの時だけでなく、キッチンカーで昼食を選ぶ楽しみを平日でも味わえたらいいなと思ったのと、コロナ禍を経験したことが大きかったと思います。密にならないように慎重にならざるを得なかった経験から、感染症の流行時も外なら気兼ねなく外食できるかなと。それにお子様を連れていても、外のキッチンカーであれば外食のハードルが低く、みなさんに気軽に利用いただけるかなと考えました。
でも、キッチンカーをしている人とつながりがなかったので、始める前にキッチンカー出店者にアンケートを配布して、勉強することから始めました。その結果、キッチンカーを出店される方にも家庭があって、事情はさまざまだということがわかりました。イベントやマルシェへの出店機会が多いと思いますが、出店者側のライフスタイルに必ずしも合致するものばかりではなさそうだなと感じたんです。長く無理なく出店できる場所にしたいと考えた結果、出店時間や頻度なども出店者によってさまざまです。イベントで山形市にくるついでに出店したり、柔軟に対応しています。出店者の方とは対等な関係です!
Q. どんな場所になってほしいですか?
両親が働いている姿を目にする機会は少ないのではないでしょうか。働くことと生活することは一緒だと思うんです。大人が働いている姿を見ることで、子どもは働くということがどういうものなのかが見えてわかりやすいのかなって。キッチンカーが出店することは、働く姿を見せるだけでなく、働く形も可視化し、子どもたちへ伝えられるのではないかなと思っています!
この場所についても、地域のみなさんに、もっと気軽に利用してほしいです。どういう形なら、いろんな人が利用しやすいのかなと思って、来店される人にいろいろ話を聞いているんです。気軽に利用いただくためには、出店してくださるキッチンカーさんにもできるだけ長く続けていただくことも重要かなと思います。やはり売り上げが増えれば、長く出店しやすいのかなと考えているので、利用したいと思う人を増やして、キッチンカーの売り上げにも貢献できたらいいなと思っています。
このような活動をしていると、「こんなことはできますか?」と提案されることもあります。キッチンカーさんの繋がりからの提案などさまざまですが、提案をきっかけにイベントを行うこともしています。活動に共感してお声がけいただけることが嬉しいですし、1人だけの孤独な活動ではないというか、仲間のような感じがして嬉しいです!対等だからこそ、良い循環が生まれているなと思います。
Q. 今後の展望について教えてください。
都会に出ないとできない仕事だと思い込んでいることでも、実は地元で実現可能であることは多いと思います。働いている大人の姿が子どもたちの目に触れるだけでも「こういう働き方もあるんだ!」と知ってもらえる機会になるし、地元を離れずに起業できるかもしれないと思う子が増えて、故郷に残る選択をする子どもが増えるといいなと思っています。先日、調理科に通っている高校生が「私もお店を持ちたい夢があるが、実際いくらくらいお金を貯めればキッチンカーが始められるのか」と質問に来てくれました。すごく長期的な目標ですが、夢ある子どもたち若者がどう夢を実現していくのか、そのお手伝いなればいいですね。
地域の方を対象にした楽市楽座的な小規模エリアのマネジメントだからこそ、コロナ禍などの時代が到来してもマーケットを失いづらく、新規起業出店の方が生活に困らない仕組みを維持しやすいと考えています。来店された方も近くを通りかかった子どもたちも「自分も無理せず挑戦できそう」と思える一歩目の場を作ったつもりです。
一番大切なのは、お客さまに楽しんでいただきたいということです。それは本業は違えど、私もキッチンカーさんも同じ想い。そして、自分自身も楽しく働く姿が息子に何か響けばと思って、日々楽しく仕事をしています!
最後に
船山さんは「ちょっとしたおしゃべりができる場所って大切」だと言います。人との関係が希薄になりやすい現代。地域の方と交流できる「ちょっとした場所」があることで、顔見知りも増え、地域の安全にもつながると思いました。
インタビューを行っている傍ら、次々に来店されるお客さまに笑顔で万遍なく挨拶しつつ、雑談をする船山さん。友達も増えたそうです。船山さんも「平日CaféあんどFoods FROM船山呉服店」の場所も自由な空気をまとっているように感じられました。
楽しむことを忘れない船山さんの姿は、人々の何かしらのきっかけとなって、地域に還元されていくような気がします。
最後に、今後はキッチンカーなどの販売以外のことも視野に入れているそう。どんな風に変化していくのか楽しみです。
↓キッチンカーなど出店応募の問い合わせはこちら↓
↓その他のお問合せはこちら↓
取材執筆:たぴこ


























