山形の若者の活躍や山形の魅力を発信する「やまがた若者応援大使」が、県内でチャレンジする若者を紹介します。

 今回は、「GLAMPiCの芳賀温子さん」が、山形市で離乳食の製造販売や学食の運営等を展開しているKeiki li'ili'i株式会社の代表、「浅野佳織さん」にインタビューしてくださいました。

#Keiki li'ili'i株式会社(山形市)浅野佳織さん
【取材者 芳賀温子さん】
Keiki li'ili'i株式会社代表 浅野佳織さん

―これまでどちらでどんなお仕事や経験をされてきたんですか?
 ずっと山形ですね〜山形生まれ、山形育ちです。
 両親が30~40年間お寿司屋さんを経営していたこともあり、ずっと自分の根底に『食』への興味はあったと思います。ただ特別な経験などはなく、専業主婦をしていて、長男が生まれてからは、パートやアルバイトで仕事をしていました。

ーそんな中、どうして事業の立ち上げに至ったのですか?
 こどもが産まれてから、より一層食べさせるものを気にするようになり、食への意識が高まりました。そんな中、現在小学1年生になる4番目のこどもが原因不明の嘔吐を繰り返し、生後10か月の時にようやく重度のアレルギーということが発覚しました。どんなものが使われているか分からないものは怖くて食べさせられなかったし、家に引きこもって、お米と蒸した野菜をひたすらあげていました。
 アナフィラキシーショックを経験してからは、上の子のおやつや、家族の食べるものですら敏感になってしまい、命の危険と隣り合わせの毎日に疲弊していました。
 こんな状況を打開したいと思い、何ができるか考えた時に、自分ができることは、こどものために『安全なご飯を作ること』でした。
 また、アトピーや喘息を含め、こどもを持つ親御さんの約1/3がアレルギーで悩んでいることを知り、自分と同じように悩みを抱える親御さんの支えとなり、アレルギー持ちのこどもの食べる選択肢が増えればと、令和2年9月に株式会社を設立し、離乳食事業を始めました。


アレルギー対応のため、新品の厨房機器を導入してスタート

ー最初に会社を設立されたんですね!その後はどのように進められたんですか?
 そうですね。そこから自分の足で仕入れ先を探し、素材はもちろん、おいしさ、硬さなどをひたすら研究して、半年後の令和3年3月にオンラインで離乳食の商品販売をスタートしました。ありがたいことに、同年の夏には1人で製造するのは厳しくなり、スタッフを雇うようになっていました。

ー今日は、東北文教大学の食堂で取材させていただいていますが、ここも御社が運営されているんですよね。なぜ離乳食事業から学食運営に至ったのですか?
 飲食業は何度かやろうと思ったことはあったのですが、金銭面的にも、時間的にも厳しいだろうなと諦めてきました。そんな中たまたま知人経由で、東北文教大学の学食の前事業者が撤退するという話を聞き、即決で「やります」と返事をしました。笑
 令和7年5月に話をもらい、6月末までは前事業者が担当、7月1日からの引き継ぎだったので、スタッフ募集やメニュー考案、スタッフの教育を外部でやったり、怒涛の日々でした・・・。
 でも、今では懐いてくれる学生もいたり、長男がちょうど20歳で同じくらいの年齢なので、自分のこどもたちにご飯を食べさせてるような感覚で幸せだし、やってよかったなと感じます。

 

 

 

 

 

 

 

東北文教大学学食メニューやオードブル

ーわー!それはお互い幸せな環境ですね!!
 離乳食販売と、学食運営、それぞれどのくらいの従業員を抱えていて、どんなお仕事をしているのですか?
 そうですね。離乳食は4名程で、製造と、イオンのイベントなどでの直接販売や卸の発送をしています。イオンやLa Casaなどの他、県外のオーガニックフード店など、おかげさまで色んな場所で取り扱いしていただいています。直接販売では自ら販売に出向き、悩みを抱える親御さんの栄養相談などを受けたりしています。
 学食も4名程ですが、始めてまだ4か月なので教育もしながらという感じで、日々の仕込みもしつつ、学生が飽きないようにメニュー開発もしています。また、学生が夏休みの期間は一般向けの食堂運営も行いました。

 

 

 

 

 

 

 

イオンなどで販売している離乳食商品

ー私も子を持つ親として、ママは大変という印象ですが、なぜ5児のママを務めながら、こんなことができるのですか?
 きっと世の中にもやりたいことがいっぱいあるママたちがたくさんいると思いますが、どんなことを伝えたいですか?
 多くの方は、以前の自分と同じように「こどもがいるから無理だな」、とか「今じゃないな」と思いがちだと思います。けど、よく言いますが、やりたいことはやってみないとその先の景色は何も見えないということです。自分が選んだ道を正解にしていくしかないから、仕事であれ、子育てであれ、良くなるように前進するしかないと思います!
 私はこの仕事をしていても、今この瞬間のこどもの成長は見逃したくないし、子育てに手を抜きたくないから、どちらも100%で対応するようにしています。
 私、高市総理の演説まとめのインスタをよく見るんですが、「私は私」であって、他の誰でもないから、私の意志で動くという言葉にとても共感して・・・当たり前のことを言っているんですが、特に子育てって周りの影響を受けやすいじゃないですか。でもみんなこうしているからじゃなくて、もっと広い世界を見てほしいと思いますね。

浅野さんご家族

ー浅野さんが普段から大事にしていることはありますか?
 仕事で、迷ったときは困難だと思う方を選ぶようにしています。
 人からはおかしいと思われがちですが、困難だと思う方を選択をすることで、大変だけどその分こなせた時はより気持ちが良いです。
 子育てでは、認めることを大事にしています。
 努力してほしいので結構色々と言いますが、できた時に褒める、認めてあげることで達成感を得られるし、ステップアップしていけるような声がけを心掛けています。

ー今後の展望はどんなことを考えていますか?
 正直、次の一手が難しく思っているところもあります。
 会社を大きくしたい気持ちはあるけれど、夫も仕事で忙しいので、会社を大きくして子育てに費やす時間が取れなくなったらどうしようという不安はあります。
 でも、誰しもが楽しいと思ってもらう職場が夢なので、将来的にうちのスタッフが働いてよかったなと思える会社にしていきたいですね。まだ小さいこどももいるので、スピード感は遅いかもしれませんが、まずは今の離乳食の販売数をもっともっと増やしていきたいです。
 今、離乳食と学食をやっていて、近くの介護施設の方が食堂を利用してくださったりもしています。離乳食と介護食は似ているところもあるし、東北文教大学には介護学科もあるので、学生の接点という意味でも良い影響があるだろうと、受け入れをしています。
 離乳食と介護食、学食をやっているとなると、あとはやはり一般向けの飲食の何かをしたいという想いはありますね〜。冬休み期間の学食と、製造エリアにある手付かずの場所を利用して一般向けに何かできないかなと模索中です!

 私も産後、以前より更に「食」への関心が高まり、特に離乳食やベビーフードなどを利用してから浅野さんの活動、商品を知りました。アレルギー持ちではないこどもの親御さんですら、原材料などを気にすることを考えると、アレルギー持ちのこどもがいる家庭にとって、浅野さんの商品への需要はかなりあると思います。離乳食の進みが悪いという県外の友達にもギフトで贈ってみたところ、とてもおいしそうに食べてくれて良かったと言っていました。山形の無農薬、減農薬を利用した浅野さんの離乳食が、山形はもちろん、県外の子育て世帯にも広まれば、救われる家庭も増えるのではないかと思います。
 また5人のこどもを育てながら離乳食や学食事業を行っている浅野さん自身にも感服です。私も産後、ウェイトの大きい事業は手放さざるを得ない状況でしたが、5人の子育てをしながらパワフルに働く、しかも子育てにも手を抜かない浅野さんを見て、自分もまだまだできることがあるかもしれない、という気持ちにさせてもらいました。
 イオンでの店頭販売には、浅野さんも行かれることが多いようなので、離乳食での悩みや、子育てでの悩みがある方はぜひ一度浅野さんに会いに行ってみてください!

記事番号:29612