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 今回は、「くしびきこしゃってプロジェクト代表の宮城妙さん」が、鶴岡市の農業法人で働く青木麻衣さん・周平さんにインタビューしてくださいました。

#鶴岡市立農業経営者育成学校SEADS2期生            青木麻衣さん・修平さん編
【取材者 宮城妙さん】

 鶴岡市立農業経営者育成学校SEADSの2期生として学び、現在農業法人で働く青木麻衣さん・周平さん。様々な職業を経験し山形に移住、就農されたお二人に、果樹農家の宮城が会いに行ってきました!

麻衣さん(写真右)茨城生まれ。父の転勤で12歳でアメリカへ移住。その後、佐賀・茨城・東京で暮らし、語学習得と美術を学ぶため25歳で仕事を辞めイタリアへ。そこで靴職人の夫と出会う。鶴岡に移住し現在就農3年目。 周平さん(写真左)静岡生まれ。家業の自動車整備工場で働く。洋服好きで、いい靴は高いから自分で作るという発想と器用さの持ち主。家業は兄弟が継ぎ、靴職人に転向。靴作りのためのイタリア留学時に麻衣さんと出会う。

 

ー鶴岡に移住されたお二人の、出会いはイタリアだったんですね!

麻衣)私は、イタリア語習得のため移住していました。夫は、靴といえばイタリアということで留学していて。イタリアで出会って、東京に帰ってから結婚しました。                                            二人とも職歴は多くて、経営の勉強と資金づくりのために夫婦でホテル経営をしていた時期もあります。その後それぞれ転職して、私は花の仲卸で働いていたんですが、花農家さんと関わる中、その時初めて農業に興味が湧きました。同時に、これまでの経験を活かして効率化できないかな、時代に合うように仕事がつくれないかなと想像し始めたんです。

ーSEADSに出会ったのはその頃ですか?

麻衣)その後ですね。東京で「新・農業人フェア」があって。ちょうどコロナ禍だったんですが、二人とも東京にいるメリットをあまり感じなくなっていて。

周平)僕が東京で暮らす理由は麻衣さんが東京にいたかったから 。僕は、ロックダウンになって大好きな居酒屋に行けなくなって、そこに暮らす意味を考えだしたタイミングでした。

麻衣)フェアでは、掲示物のデザインに惹かれて、SEADSのブースしか見ませんでした。学校なので2年間学びながら考える猶予がある。できたばかりというところにも惹かれて。その後すぐに二人で農業へ、と動き出しました。

ー一人の身軽さともまた違うと思うんですが、行動力はどこからくるんでしょう?

麻衣)どちらかがやりたいことがあったら、お互いとことん調べる性格なんです。違う方面から調べるので、情報量が倍になって。進むべき道を作っていく感覚ですね。

周平)お互いできることが違うんですよね。僕はもっぱら何か作るのが得意。色々考えて道筋をつけてくれるのが麻衣さん。

麻衣)二人でなら自給自足力もあって何でもできそうな気がしていました。ただ、私はペーパードライバーなのがコンプレックスで。でもコロナで世の中の価値観がひっくり返って、運転ができないことなんて大した事じゃないかも、みんなできるなら私もできるかも、と思っちゃった。

周平)麻衣さんが、東京でなくてもいいかなって言った時に「おおいいね!行こう!」って。すごい大きなマインドチェンジでした。

麻衣)分野としては生産や農業かなと。そのあたりは本当に直感ですね。

ーそれまでの経験があるからこその直感ですよね。今はどんなお仕事を?

周平)藤島地域の農業法人で働いています。米の農業法人で平均年齢は70歳くらい。兼業農家が多く、専業の数名をメインに田植え・稲刈りシーズンを回しています。プロの農家と関わって、農業をしっかり仕事にしなくてはいけないので、大変ですね。

麻衣)80haの田んぼの事務的な管理を私が、指示系統の管理を夫がやっています。1年目は、紙ベースの圃場地図に不慣れで、自分がどこにいるかも分からない状態からのスタート。これではだめだと農場管理システムを稼働させて、管理体制づくりからやってきました。法人の皆さんは、新人の私達からの提案に対して一緒に動いてくれるというおおらかさがあって、とても感謝しています。

ー今までの職歴が多分に活かされてるような感じですね。

麻衣)確かに、工夫してやれるのは今までの経験があるからですね。夫は機械の整備もできるので重宝されています。実は私たち、就農は必ずしも独立自営じゃなくていいと思っていたんです。固定収入があるありがたさも分かっていて、農業は不確定なところもある。特に技術力もない新人農業者が成功する確率を考えて、農業法人を探しました。

ーこのお家からの眺めも庄内平野が広がっていて鳥海山が見えて、いいところですね。

周平)気持ちいいんですよ、ここ。明るいうちからビールのむのがいいですね。借家ですが、来る人みんないいねって言います。ここに住んでいるのは、近くに気に入った物件があったからなんですが、そこは修繕が必要でまだ住めなくて。徐々に大工さんにも入ってもらって、リノベーションをしていこうというところです。僕の前職が、リノベーション会社なんですよ。

ーえ!面白い!なんだかワクワクしてきました!

周平)面白い建物なんですけど、古い家で天井は低い。僕は歩くと頭が当たっちゃうので、大部分は吹き抜けにしようかと。前職では、多能工として働いていたのでそれを活かせるかな。

麻衣)私たちは、色々な経験があるので出来ることもいっぱいある。足りないものもいっぱいあるんですけど、ここに来て、夫がやりたいことができる環境が整ってきたから、あとは時間と資金ですね。時間は自分で作るとして、就農3年目にしてやっと家に対しての資金の見通しを立てられる段階に来たのかな。

ーその建物でやりたいことを聞いてもいいですか?

麻衣)その物件は、元自転車屋さんでアイスやお酒も販売して、かつてこの集落の人たちが立ち寄る場所だったそうです。だから、そこを活用するのは地元の人たちも嬉しいようで、集える場所にしたいと考えています。私たちは移住者なので、外の人たちにどうやったらここの良さを伝えられるかという視点で考えるんですが、すごくいいんですよね鶴岡は。文化も自然もあって食べ物ももちろん美味しい。庄内空港に着いたら案内できる体制が取れれば外からももっと来てもらえるんじゃないかなと思っています。宿泊もできるように改装して、農繁期にやりたい人に来てもらったり、雪見に来てもらったり。インバウンドも意識しながらできたら。

周平)時間はかかりますが、リノベして箱ができたら進みそう。半農半Xでやりたいんですけど、Xの部分はほとんど遊びにしたいですね。そうでないと、ゆるい良さが出てこないから。農のところで稼いで、雪降る時期に遊んで好きなビールを楽しんで。ビール大好きでいっぱい飲むので自分でも作りたい。結局その発想なんです。靴作りと似ていて。

ー誰がやるかだなって思いました!ここに麻衣さん・周平さんご夫婦が暮らしているというのが心強いし嬉しい。

麻衣)友人たちを呼び寄せたり、SEADS卒業生と交流したり、つながりが面になっていったら面白そうですね。結果的に活気が出たと言ってもらえたらいいな~という漠然とした思いもあります。でも周りを見ると面白いことをやってる方はいっぱいいるので、相乗効果が生まれるように動いていければ。

ーSEADSについての思いはありますか?

麻衣)私たちがここにいるのは、やっぱりSEADSがあったから。SEADSにはこれからも盛り上がっていってほしいし、県外の人にも来てもらいたいと思っています。その人たちが、来て良かったと思って長く居られるように、私たちもそのための役割をしたいです。

周平)実は僕たちが一番苦労したのは、家を借りること。これから農業を始める人に対して、集落に入るということのハードルがあるのに借家が少ないんです。安くするから買ってくれというところが多くて。僕らは二人なので自治会の役割も分担できるけど、単身で来た人は全てをやらなきゃいけない。移住者が直面してしまう問題を、学校側(SEADS)も理解して相談に乗ってもらいたいという希望はあります。

麻衣)SEADSに来る人は、農業の大変さは覚悟して来るんですが、集落の行事のイメージは難しい。シェアハウスなどでお試し的に集落に入ることができるのは有効だと思います。私たちは宿泊業を経験した分難しさもわかっていて、シェアハウスをやりたいと気軽には言えないんですけど、やるなら私たちかな、という思いもあって。空き家を活用して、SEADS卒業生や移住者、地域の人が交わるような場所づくりができたらとてもいい。地域の方の理解は必要なんですが、私たちの暮らすエリアは理解があるのでとても助かっています。

ー藤島地域はSEADSとの連携もありますね。卒業した就農者や一緒に動ける人たちのコミュニティが広がっていきそうです。

周平)そうですね。僕らの同期にも面白い人がいますから。映像カメラマンとか、テレビの小道具を作ってた人とか。

麻衣)そういう個性豊かな人たちが、自分の人生かけて鶴岡に来てるので、温かい目で見て応援してほしいなって思います。暮らしの部分でつぶれないようにここを嫌いにならないように、私たちも考えて動いていきたいと思っています。

ーお二人の行動力のそばには、とことん行う情報収集と、経験をもとにした「直感力」がありました。自分たちの仕事づくりと、半農半Xの「X」の部分について、ワクワク多め、学び多きお話でした。帰りにリノベーション予定の古民家物件を見学させてもらったのですが、そこがどんな場所になるのかも楽しみだし、麻衣さん・周平さんご夫婦だからこその半農半Xの今後も楽しみ!ぜひご注目ください!

記事番号:26153

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